9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
皆さま、お変わりありませんか。
暦の上では秋ですが、気分はまだ夏。
夏といえば、わたしには毎年心待ちにしているお仕事があります。
「愛知県喫煙環境を考える会」の総会です。
この会に携わるようになって数年が経ちますが、
初めてお手伝いさせていただいたときの会長のご挨拶が、いまだに忘れられません。
「吸わない自由もあれば、吸う自由もある」
てっきり愛煙家の皆さまの集まりだと思って臨んだ初回。
ところが、会長ご自身はまったく煙草を吸われない方だと聞いて驚きました。
その「吸わない方」が、「吸う自由もある」と仰ったのです。
そして続けて、「日本人は行き過ぎるきらいがある」と。
煙草を吸ったことのないわたしは、
それまで煙草が大嫌いで、匂いがするだけで不快感を露わにしていました。
だからこそ、この言葉にはハッとさせられました。
自分が嫌いだからと、煙草を吸う人まで悪いかのように見ていた。
煙草を吸う人の気持ちなんて、考えたこともありませんでした。
会長のお言葉によって、自分の考え方こそ「行き過ぎていた」ことに気づかされたのです。
自分が正しいと思うことにも、反対側から見れば、違う景色がある。
自分の正しさだけで、相手を追い詰めてはいけない。
相手にも、その人なりの考えや「自由」がある。
この日からわたしは、様々な場面で、
「言い過ぎていることはないだろうか……」と考えるようになりました。
そんな大切な言葉をくださった長谷川会長が、今期をもって勇退されることになりました。
会の立ち上げから10年以上。
毎年、慈愛に満ちたご挨拶をされていた長谷川会長。
司会席からそのお話を伺えなくなると思うと、やはり寂しさを感じます。
でも、あの日いただいた言葉は、これからもわたしの中に残り続けます。
「吸わない自由もあれば、吸う自由もある」
わたしにとって、煙草の話を超えて、人と向き合う姿勢を教えてくださった大切な言葉です。
大切な気づきをくださった長谷川会長に、心から感謝申し上げます。


◇著者プロフィール◇
司会者 井上 亜紀
株式会社エムプランニング代表
名城大学非常勤講師
企業式典・周年事業・講演会・表彰式など、BtoBイベントを中心に30年以上にわたり司会・演出ディレクションを手がける。
現場で出会った人や企業、そして心に響いた言葉から学んだことを、「今月の言葉」として毎月発信。
企業や地域、人と人とのつながりの中で見つけた”見えない価値”を大切に伝えている。